「JDMって聞いたことあるけど、実際どんな魅力があるのだろう?」「ミニカーの専門家は、このシリーズのどこに注目しているのだろう」――。そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ミニカー専門家の目線でマジョレットミニカーの人気シリーズ「JDMレジェンズ」の魅力を徹底解説!「JDM」の定義から、各モデルの見どころまで、ミニカーや自動車雑貨を扱う「ヒラク堂」店主の平久江さんに伺いました。
この記事の監修者

平久江 春輝(ひらくえ はるき)
自動車雑貨・ミニカー専門店「ヒラク堂」店主。ミニカーをはじめ、玩具や模型、カタログなどの紙物、雑貨に至るまで、自動車にまつわる「モノ」全般を探求対象とし、幅広い見識を持つ。
ミニカーから自動車のカタログまで扱うフリーマーケット「カーサブカルマーケット」の運営に携わるなど、クルマ文化を愛するさまざまなジャンルの人々が、互いの「好き」を共有し合う場所作りにも精力的に取り組んでいる。
ミニカー専門店とは、クルマ好きが集まるワンダーランド
ミニカー専門店とは、国内外のさまざまな種類・価格帯のミニカーを扱うショップのことです。一般的なおもちゃ屋さんや量販店との大きな違いは、その圧倒的な品揃えと専門性の高さにあります。
数十年前に発売されたヴィンテージ品、生産限定の貴重なモデル、非売品のノベルティなど、一般の市場では手に入らない「お宝」に出会えるのも醍醐味のひとつ。そんな大人の探究心を満たしてくれる場所が、ミニカー専門店です。

今回、「JDMレジェンズ」の魅力を教えてもらうのは、ミニカーはもちろん自動車関連の雑貨も取り揃え、クルマ好きの好奇心をくすぐるショップ・ヒラク堂の平久江さん。マジョレットミニカーと「JDM」の歴史、そして各モデルの注目ポイントを、平久江さんと一緒に紐解いていきます。
マジョレットミニカー「JDMレジェンズ」の「JDM」とは?
「JDMレジェンズ」のラインナップをチェックする前に、まずは「JDM」の意味を確認しておきましょう。JDMとは、Japan Domestic Marketの略で、大きく2つの意味があります。
ひとつは、日本の法律や道路環境に合わせて作られた「日本市場専売モデル・日本仕様車」という意味。
もうひとつは、日本のクルマを愛し、日本独自のスタイルでカスタムする「クルマ文化」としての意味です。
主にアメリカなど海外から広まったJDMスタイルと呼ばれるカスタム手法は、日本の純正・国産チューニングパーツを使うことが特徴です。
JDMの解釈はユーザーによって異なりますが、一般的には、派手なドレスアップよりも、「深夜の高速道路や峠を走っていそうな、硬派で機能的な走り屋スタイル」へのリスペクトが根底にあります。

マジョレットミニカーが初めてモデルにした日本車は初代の「フェアレディZ」。写真左から、1970年代に製作された初代、近年に同車種をリバイバルした「ダットサン260Z」、そして最新型の「フェアレディZ(RZ34)」です。
ミニカー専門家・平久江さん
1970年代の欧州において、発展途上だった日本車の知名度は今ほど高くなく、フランスのマジョレットミニカーが「フェアレディZ」をモデルにするのは珍しいことでした。
その後、ストリート・レーシングをテーマにした漫画・アニメ『頭文字D』や、映画シリーズ『ワイルド・スピード』が世界的にヒット。その中心に日本車があったことから、「日本のスポーツカー=クール」というイメージが定着し、JDM人気へとつながっていきました。
気になるマジョレットミニカー「JDMレジェンズ」のラインナップ

マジョレットミニカー「JDMレジェンズ」のラインナップは以下の6台です。
「レジェンズ」の名にふさわしく、1990年代後半から2000年代にかけて製造された、JDMを体現する名車が揃っています。
<JDMレジェンズのラインナップ>
- 三菱 ランサー EVO 9
- 日産 スカイライン GT-R(R34)
- 日産 シルビア S15
- トヨタ スープラ JZA80
- トヨタ センチュリー
- ホンダ S2000
ミニカー専門家・平久江さん
マジョレットミニカー「JDMレジェンズ」は、実車の人気と連動したラインナップになっています。ほぼ日本専売だった「2代目センチュリー」や「シルビア S15」が含まれているのもポイントです。JDMの中には、近年実車の価格が高騰して憧れの存在になった車種もあり、それに伴いミニカーの人気も高まる傾向があります。
「JDMレジェンズ」のパッケージイラストの背景には富士山や桜が描かれていて、日本らしさをさりげなく表現しているところにも注目してほしいですね。
■即完売・再販待ちとなった「日産 シルビア S15」と「トヨタ センチュリー」
マジョレットミニカー「JDMレジェンズ」の中でも特に人気を集め、発売直後に完売・再入荷待ちとなったのが「日産 シルビア S15」と「トヨタ センチュリー」です。

日産 シルビア S15は、1965年の初代よりFRレイアウトを貫いたシルビアの歴史に幕を下ろした7代目モデル。歴代最大ヒットの5代目(S13)を彷彿とさせるコンパクトで美しいスタイリングは、最終形態として今なお高い人気を誇ります。
「JDMレジェンズ」では、純正エアロパーツを装着した最強グレードの「spec-R」を再現し、ドア開閉ギミックも備えています。

トヨタ センチュリーは、1967年の誕生から半世紀以上、日本の最高級ショーファードリブン(専属運転手が運転する車)として君臨し続ける一台。日本の伝統的な美意識と職人の技が宿る重厚なスタイリングは、唯一無二の存在感を放っています。
「JDMレジェンズ」では、象徴的なフロントグリルや堂々たる佇まいを忠実に再現。ドア開閉ギミックも搭載しています。
ミニカー専門家・平久江さん
即完売も納得の2台です。どちらも「新鮮味」がポイントでした。シルビア S15はマジョレットミニカーとしては今回が初のミニカー化。これまで存在しなかった車種だけに、ファンにとってはぜひ手に入れたい1台です。ブラックのボディカラーも、シルビアらしい精悍なイメージで好印象でした。
センチュリーは過去にもマジョレットミニカーが発売されていますが、今回のシルバーは「精華(せいか)」と呼ばれる珍しいカラーリング。
実車では公用車のイメージが強いブラックが定番ですが、それ以外の色にもパーソナルな雰囲気に根強いファンがいます。「JDMレジェンズ」では、あえて王道を外したシルバーの採用がインパクトにつながりました。
■大胆なカラーリングに注目したい「日産 スカイライン GT-R(R34)」と「ホンダ S2000」
マジョレットミニカーならではのカラーリングが際立つのは、「日産 スカイライン GT-R(R34)」と「ホンダ S2000」です。

日産 スカイライン GT-R (R34)は、1989年のR32型から始まった「第2世代GT-R」の集大成となるモデル。レースで鍛え抜かれた力強いスタイリングと圧倒的な走行性能は、最後の「スカイラインGT-R」として今も世界中で支持を集めています。
「JDMレジェンズ」では、ボンネットの着脱ギミックも備えています。

ホンダ S2000は、1999年、ホンダ創業50周年を記念して誕生した本格派オープンスポーツカー。9,000回転まで回る専用エンジンを搭載し、走る楽しさを純粋に追求したパッケージングは、ホンダの歴史に残る名作として今も熱狂的なファンを持ちます。
「JDMレジェンズ」では、こちらもボンネットの開閉ギミックを搭載しています。
ミニカー専門家・平久江さん
スカイライン GT-Rのイエローは、実車では生産台数が少ないレアカラー「ライトニングイエロー」を連想するもので、かなりマニアックな選択です。実車の前期型のみにオプション設定された色でした。S2000も「イモラオレンジ」を思わせる、実車ではかなり希少な色味ですね。
カラーリングの再現度もマジョレットミニカーの魅力のひとつ。
実車と全く同じ色味をそのままミニカーに使っても、見た目の印象は変わってしまうものです。手に取って眺めたときに自然な印象に近づくよう色味を調整しているのが伝わってきます。ショールームで見る実車のような、思い切った鮮やかさが目を引きますね。
■JDMの王道ともいえる「トヨタ スープラ JZA80」と「三菱 ランサー EVO 9」
「トヨタ スープラ JZA80」と「三菱 ランサー EVO 9」は、JDM人気の火付け役となった映画『ワイルド・スピード』シリーズにも登場する、JDMを語る上で欠かせないモデルです。

トヨタ スープラ JZA80は、1993年に登場したトヨタのフラッグシップスポーツカー、4代目スープラ。映画『ワイルド・スピード』での活躍を機に世界的なJDMブームの象徴となり、グラマラスな流線形のボディラインは今も伝説的な人気を誇ります。
「JDMレジェンズ」では、象徴的な大型リアウイングを含む迫力のスタイルを再現し、ボンネットの開閉ギミックも備えています。

三菱 ランサー EVO 9は、「ランエボ」の愛称で親しまれる、世界ラリー選手権(WRC)で勝つために生まれたスポーツセダン。
「JDMレジェンズ」では、実戦的な空力パーツをまとったフロントマスクを忠実に再現し、ドアの開閉ギミックも搭載しています。
ミニカー専門家・平久江さん
海外から見た日本車、JDMのスタイルがよく表れている2台だと思います。映画『ワイルド・スピード』第1作で、主人公のブライアンがボロボロの状態からフルチューンして乗り込むスープラ JZA80はまさにその象徴です。
海外の人が乗る日本車は、カラーリングや車高、パーツの選び方など、クルマに込める表現がひと味違うんです。そのスタイルが逆輸入されて、日本のファンにも「かっこいい!」と響く。JDMの魅力はそこにあると思います。
専門家に聞く「JDMレジェンズ」の注目ポイント
マジョレットミニカーの大きな魅力として、ギミックやペイントの精巧さがあります。「JDMレジェンズ」ならではの注目ポイントを、専門家の目線で教えてもらいました。
■1/64ミニカーでは特別感のあるボンネットの開閉ギミック
「JDMレジェンズ」では、「スカイライン GT-R(R34)」「スープラ JZA80」「S2000」の3台にボンネットの開閉ギミックが備わり、エンジンルームを覗くことができます。1/64スケールのミニカーでは高価格帯シリーズに限られる、特別感のある仕様です。

ミニカー専門家・平久江さん
エンジンルームの造形も細かく、1,000円前後の価格帯でここまで精巧な作りを実現しているのは注目ポイントです。
海外のミニカーブランドはエンジンへのこだわりが強いのか、ボンネット開閉ギミックを採用しているケースが多い印象があります。日本車のエンジンは名機が多く世界中にファンがいますから、このシリーズでもエンジンを「見せる」仕様を取り入れているのだと思います。
■ステアリングなど細かいパーツの再現度
「JDMレジェンズ」のステアリングは、汎用の「丸い輪っか」パーツを流用せず、各車種の実車デザインに合わせて金型を彫り分けています。
わずか数ミリのパーツに「その車らしさ」がきちんと再現されており、もちろん日本車仕様の右ハンドルになっています。

ミニカー専門家・平久江さん
1/64の低価格帯ミニカーで、ステアリングなどの内装を実車通りに作りこんでいるブランドはなかなかありません。ドアを開けて覗きこんで、ぜひじっくり楽しんでみてください。
■サイドウインカーなど全面抜かりないペイント
ミニカー全面にわたる丁寧なペイントも「JDMレジェンズ」の魅力のひとつ。前輪横のオレンジのウインカーをはじめ、側面のペイントもしっかり再現されています。

ミニカー専門家・平久江さん
1/64サイズのミニカーでは、フロント(前面)やリア(後面)のペイントはしっかりしていても、サイドは省略されたり、反対にフロントやリアのペイントが省略されたりすることがあります。
「JDMレジェンズ」はサイドウインカーやエンブレムなど全面に渡りペイントで丁寧に再現されているので、ぜひ注目してみてください。
「JDMレジェンズ」を公式オンラインショップでチェックしよう!
ミニカー専門家の平久江さんとともに「JDMレジェンズ」を紐解いていくなかで、マジョレットミニカーの車種選定のこだわりや、一台一台に込められた思いが見えてきました。
そうした背景を知ると、ミニカーを集める楽しさもさらに広がるのではないでしょうか。
ミニカー専門店を訪れて、宝探しのように目当ての一台を探すのも楽しいひとときですが、100種以上のマジョレットミニカーが揃う公式オンラインショップをのぞいてみるのもおすすめです。
今回ご紹介した「JDMレジェンズ」のモデルも1台から購入でき、もし完売の場合でも、再入荷時の通知を設定できます。
また、メーカーや車種、カラーから検索することもできるので、探していた一台が見つかるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。
この記事でお話を聞いた専門店

自動車雑貨・ミニカー専門店「ヒラク堂」
住所:埼玉県さいたま市見沼区大和田町2丁目703
営業日:不定期営業。詳細は公式Xをチェック
ミニカー専門家・平久江さん
ミニカーの世界でも、JDMの人気は根強いです。
海外ブランドが作ったいわゆる逆輸入感覚の日本車ミニカーが、国内ファンのあいだで「かっこいい!」と話題になり、日本発売と同時に売り切れる状況が続きました。そのトレンドをきっかけに、各ミニカーブランドが日本車ラインナップに力を入れるようになったんです。