専門家コラム

マジョレットで辿るBMWの系譜〜「BMW M」に宿るスポーツマインド〜

現在「マジョレット」を展開するシンバ・ディッキー・グループは、ドイツに拠点を構える企業です。当然ながらドイツ車のラインナップが充実しており、中でも確固たる存在を持つプレミアムブランドは、独立したシリーズとして展開されています。

 

今回はその中から、「BMWエディション」にスポットを当て、このシリーズの背景にある「BMW M」のブランドに迫りながら系譜を辿っていきましょう。

 

この記事の著者

平久江 春輝(ひらくえ はるき)

平久江 春輝(ひらくえ はるき)

自動車雑貨・ミニカー専門店「ヒラク堂」店主。ミニカーをはじめ、玩具や模型、カタログなどの紙物、雑貨に至るまで、自動車にまつわる「モノ」全般を探求対象とし、幅広い見識を持つ。
ミニカーから自動車のカタログまで扱うフリーマーケット「カーサブカルマーケット」の運営に携わるなど、クルマ文化を愛するさまざまなジャンルの人々が、互いの「好き」を共有し合う場所作りにも精力的に取り組んでいる。

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「BMW M」が生まれるまで

 

マジョレットのラインナップを眺めると、そのほとんどが車名に「M」を冠するスポーツモデルであることに気づきます。

 

このMモデルはBMWの子会社である「BMW M モータースポーツ」が開発を担う、モータースポーツのノウハウが注ぎ込まれた特別なモデルなのです。

 

BMWは戦前からモータースポーツに熱心でしたが、第二次世界大戦によって壊滅的な打撃を受け、戦後の長きにわたり再建に集中せざるを得なくなります。兆しが見えたのは1960年代からで、市販車をベースにしたツーリングカーレースで大成功を収めてスポーツイメージが一躍高まることになったのでした。

 

そんな時代を経た1972年に設立されたのが現在のルーツとなる「BMWモータースポーツ」で、以降BMWのモータースポーツ活動を一手に担うことになります。

 
 

ターボに3色のストライプはパフォーマンスの証

 

「BMWモータースポーツ」の設立とほぼ同時期の1973年、BMWから革新的なモデルが発売されました。当時の自動車における新技術であったターボチャージャーを基幹車種である「2002」に搭載した「BMW 2002 ターボ」です。

 
マジョレットの BMW 2002 ターボ(ホワイト)フロントまわり
 

このモデルはモータースポーツからのフィードバックにより生まれたもので、ターボを搭載した「2002 tik」が初めてサーキットに姿を現したのは1969年にさかのぼります。この経験を基にして1973年に「2002 ターボ」として市販されるのですが、当時はオイルショックと重なり高性能車への風当たりが激化。わずか1年で生産を終えてしまいました

 
BMW 2002 ターボ のサイドを飾る turbo ロゴと3色のストライプ
 

時代に翻弄された具合でしたが、「BMW 2002 ターボ」の先進性は現代において高く評価されています

 

まず広義に「ターボ=高性能」というイメージを提案したこと、そして後に「BMW M」の象徴として認知される「Mストライプ」が車体にデザインされていたことです。

 

ブルー、パープル(後にネイビー)、レッドの3色からなる組み合わせは、「BMWモータースポーツ」設立時からコーポレートカラーとして用いられ、BMWのパフォーマンスを示すアイコンとして現在まで継続しています。

 
 

ブランドの方向性を決定づけたM3の誕生

 
マジョレットの BMW M3(E30・レッド)フロントまわり
 

「BMW M」における活動はその始まりから現在に至るまで、市販車ベースのモータースポーツを継続しています。モータースポーツと市販車が密接な関係にあることで、ブランドのスポーツイメージを維持し続けているのです。

 

その方向性を決定づけたのが、1985年に発表された「BMW M3」でした。

 

当時のツーリングカーレースはグループA規定に沿って車両を年間5,000台以上生産することが義務付けられており、BMWは既存の「3シリーズ」をベースとして参戦に必要な装備を盛り込み市販する決定を下します。これにあたり開発と生産を「BMWモータースポーツ」が担当し、そのブランドイメージを印象づけるモデルとして「M3」が誕生しました。

 
BMW M3(E30)のハイデッキ化されたトランクリッドとリアスポイラー
 

グループA規定では基本となるコンポーネントの他に車両の外観に関しても市販車からの形式変更を認めておらず、見た目には競技車両と同一。よってベースの3シリーズと比較して異なる特徴が数多く見受けられます

 

特に印象的なのがスポイラーとの一体感を持たせたリアまわり。トランクリッドをハイデッキ化することで空気抵抗を低減する目的もありました。

 

ホモロゲーションを取得した1987年からレースに参戦すると、この年のシリーズタイトルを総なめにする強さを発揮。サーキットでの活躍に伴い市販車の販売も伸び、1991年の生産終了までに当初に必要な5,000台を大きく上回る1万7,000台余りをラインオフするヒット作となったのでした。

 
 

ブランドのいまをマジョレットにみる

 
マジョレット BMW M3 と BMW M4 GT3 EVO のブリスターパッケージ
 

その後の再編を経て2021年に現在の「BMW M モータースポーツ」となった組織はかつてのような生産設備は持たないものの、現在もMモデルの開発やモータースポーツに携わるBMWの子会社として活動を続けています

 

ブランドを代表する車種となった「M3」は、先代にあたる5代目からベース車が3シリーズ(セダン、ワゴン)と4シリーズ(クーペ、カブリオレ)に分かれた関係でセダンをメインとして存続。ルーツといえるクーペは「M4」として独立しました。

 

マジョレットではそれぞれ現行モデルの「BMW M3」と「BMW M4 GT3 EVO」をラインナップ。居住性重視のM3をノーマルで、スポーツ性の高いM4をレース仕様でモデル化するあたりに、実車のキャラクターを反映したチョイスを感じます

 

新旧のモデルが手軽に揃う「BMW Premium Cars, 6-asst.」から、Mストライプでコーディネートされた豪華な「BMW Deluxe Cars, 6-asst.」と選択肢に富んだアソートも魅力で、「BMW M」の歴史に浸りながらテーマ性のあるコレクションを愉しんではいかがでしょうか。

 

BMWエディションのラインナップはマジョレットミニカー公式オンラインショップでチェックできます。ぜひお気に入りの1台を見つけてみてください。

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